わたしの推しはオオカミ王子さま



座る私の方が目線が高い、初めての目線。

目を伏せるようにして下に向ける私と、上目遣いで見上げるりっくん。カフェで見た、犬属性あざとりっくんを彷彿とさせる。


かっこいいだけじゃなくこんなにかわいくされたら、女の私はどう立ち向かえばいいのか。

りっくんに勝てる要素がまるでありません。完全敗北宣言。




「ごめんね、遅くなっちゃって」




相変わらずの子犬あざと属性のまま言われて思わずそのストレートで綺麗すぎる黒髪をわしゃわしゃしたくなるけど、今にも動き出しそうな右手を左手で制止する。



その代わりに確認した時計は、17時を指していた。30分くらい、寝ちゃってたらしい。夢を見ていたけど、なんの夢か忘れちゃった。



「眠くなっちゃった?……でも、ダメだよ。昨日言ったのに」


「……え」



「んー……勉強、する?俺はしたくないけど、」