わたしの推しはオオカミ王子さま






「今日も仲良く遅刻お疲れ様!」

「違うってば!今日のはセーフだから遅刻じゃないのー!」



休み時間、ニヤニヤしながら私の席まで来たのは高槻(たかつき) 那奈(なな)


一年生の時同じクラスで、今年も同じ。

友達歴は二年目だけど、もう親友と言っても何の違和感もない。それくらいずっと一緒にいる大切な子。


だけど那奈は私と違って学校は早めに来るから、どれだけ一緒にいても私の遅刻癖は理解されない。いや、それが当然?



でも、チャイムが鳴り終わる前に教室に入ればセーフ。余裕組にはわからない、この制度がどれだけ私たちに余裕を与えているか____。



『あと五分早く家に出ればいいだけだよ〜』と私の中に住む天使ちゃんの言葉は無視し続けている。ごめんね私は朝が弱い。