わたしの推しはオオカミ王子さま




「えーと……まぁ、いつも通りりっくんのことなん「え!?!?りっくん!?!?!?」



仕方ない。私が痛い妄想じみた夢を見ちゃうくらいやばいやつっていうのは那奈には知られてしまっている。

観念して白状しようと口を開いたのと同時に、私と那奈以外の誰かの驚いたような声が教室から上がって私の声はかき消されてしまった。



みんなその一人の女の子の声で、その子を見てから、その視線を辿る。
驚いた理由に気付いたクラスメイトがみな口々に声を上げる。



私も驚いてしまった。私が言えたことではないけれど、明日は大雨が降るんじゃないか。



だって、そこに立っていたのはりっくん。



時間はまだ、8時10分。
私と同じく30分ギリギリにつくりっくんがもう、教室に入ってきている。一体何が起きた。私が言えたことではないけれど。