わたしの推しはオオカミ王子さま



濁して言ってみるけど那奈はさらに驚いた様子で、ぶんぶん私の肩を掴んで揺らしてくる。されるがまま、ぶんぶんする私。



私はどんな能天気だと思われてるのよ。それに何個女王の座を手に入れちゃうわけ。



ぶんぶんされている間にも続々とクラスメイトが登校してきて、珍しげに私の方を見てきている。

そりゃあそうでしょう。那奈曰く遅刻アンド能天気女王の蓮見汐架ちゃんだもの。





「で、何を考えてたの?汐架のことだからきっとしょーもないことなんだろうけど」





やっと私の肩を離した那奈に結局なんのことかを聞かれるし、しょーもないって確かにそう。



私のことは全てお見通し、さすが親友、大正解!と言いたいところだけど、りっくん第一の私にとってこれはしょーもなくもなんともないのだ。