わたしの推しはオオカミ王子さま




「何?変なこと考えてる?大丈夫、嫌がることはしないよ?」


「わ、わかってマス……」



別に嫌じゃないし……りっくんのために焼きそばパン戦争に参戦すること、嫌なことじゃないもん……。



「考えとくね?」


「……ハイ……」



りっくんの指に、私のカフェオレ色の髪が絡まる。

絡まる、というかりっくんが触れてるんだけど。りっくんが、絡めてる。


りっくんは結構、私の髪を触ってくる。天パだし傷んでるし、綺麗じゃないからそんなに触れられたくないけど振り解くこともできないから。


そしてそのたびピクッと反応してしまう。
普段触れられることなんてないから。髪。


私の髪をおもちゃみたいにくるくるして遊んでる。それが楽しそうだから、まぁいっかっていつもりっくんに負ける。つくづく彼には弱い私。