そんなことを思っているうちに、先輩の顔が近付いてきた。

(推しの顔面偏差値どうなってるの。高すぎるって)

……なんて、呑気に堪能してる場合じゃない!!
私は顔の前で手をクロスさせて、なんとか守備態勢をつくった。

「何するのさ」
「だ、ダメですっ。離れてください」

必死な思いで告げると、先輩は口をとがらせた。

「もしかして拒否られた、俺?ショックなんだけど」
「拒否とかじゃなくてですね……とにかく流石にダメです!!」