「なんか、フラフラする……」


兄の想いを知った二日後。

ポツリとつぶやいた後、力が抜けたように倒れ込む親友の身体。

「夏波……!?」

叫んで近寄ったときには、その目はかたく閉じられていた。

周りを見渡すけれど、あいにく先生は体育用具を取りにいっていて、姿が見当たらない。

「だ、誰か……!!夏波が!」

震える己を叱咤し、叫んだそのとき。

後ろからざわめきが起きた。