「じゃあ、私が今まで騒いでたことって、全部……?」



おそるおそる訊ねると、沙羅はふるふると首を横に振った。



「言ってないよ」



その返答に、ほっと胸を撫で下ろす。


よかった……。


けれど、親友が推しの妹だなんて、漫画の中のような展開に笑うしかない。



「あっついね……」



沙羅がパタパタと手で仰いだ。


「ご、ごめん!連れ出して。沙羅の家、戻ろう」


炎天下にこんなところにずっといて、倒れたら大変だ。



「お兄ちゃんいるけど、いい?もちろん部屋は別々だから大丈夫なんだけど」



少し躊躇ってうん、と首肯する。