淡い水色の香水を手に取って1プッシュしてから、机の上に置いていたブレスレットを手首につけて鞄を持った。
「いってきます」
奥の方から「いってらっしゃ〜い」とのんびりとした声が聞こえてくる。
私は一度微笑んで、ガチャリとドアを開けた。
もうすっかり姿を現した太陽が、じりじりと肌を照りつける。
緑の木々や、公園でサッカーをする小学生。
どこからか聴こえてくる、涼しげな風鈴の音。
溢れる夏らしさに、思わず目を細めた。
私が歩くたび、白いワンピースが踊る。
そのようすがなんだかおかしくて、足元を見ながら歩を進めた。



