滅多に誰も来ない職員室に、人が来た。

ウチの学校の子はみんな元気なのか、保健室を利用する生徒が滅多にいないと、保健室の先生が嬉しがっていたっけ。

逆に「保健室を度々使うのはあなたくらいよ」と暗に指摘されたような気がするけど……。


でも許して、先生!


私も授業なんてなければ、こうやってコソコソ隠れて漫画を読む必要はないんだから!


ヒタヒタ――


妄想に浸っていると、上履きの音がだんだん近寄ってきていることに気づいた。

そうか、先生は今は不在だから、入ってきた人も困ってるんだろうなぁ。


ちなみに、保健室の先生が入ってきたらすぐ分かる。だってあの先生、独り言がめちゃくちゃ多いんだもん。



ヒタヒタ、ヒタ…………。



「(お……お?ん?)」



上履きの音が近づいてきたなーと思ったら、どういうわけか、私が寝ているベッドのそばで足音が止まった。

え、待って待って。怖いから!