シューンと垂れた耳と尻尾はどこから出したのか、いや私の妄想か……。
けど、さすがさく先輩!毎分、毎秒、常軌を逸している!
これがモテ男の進んでいる道……妄想しか生まれない!
そんな私に、さく先輩の猛攻は続く。
「美奈ちゃんがキスしてくれたら、俺明日からでも学校行けるかも」
「(いや、絶対いけますよね?私が何もしなくても!)」
でも、なんだろう。この抗えない雰囲気!
潤んだ目で見つめられると、思わず息を飲んでしまう。
だ、ダメだ……流されちゃう!
そう思いながらも本能は素直で……私はさく先輩の頬に唇を近づける。
だけど「そこじゃない」と囁いた先輩が、ふいに顔の向きを変える。
そしてタイミングよく、落ちてくる私の唇を受け止めるように、さく先輩の唇と私の唇は合わさって……キスをした。
さらに――



