お昼休み。
意を決して、二年生の廊下を歩く。
想ちゃんのクラスは三組だよね。
三組の教室を覗けば、男女共に囲まれている想ちゃんの姿。
相変わらず横顔もかっこよくて、どきどきする。
「あれ、一年生?誰かに用?」
見とれていると声をかけてきたのは、可愛い笑顔八重歯が特徴的な男の人。
「あ、あの、筧先輩に用事があって。」
「想太ーー!この子お前にようがあんだって!」
その大きな声に教室中の視線が私に集まる。
想ちゃんはすごく驚いた顔をしてこちらを見ている。
「…何してんの。」
ドス黒い雰囲気の想ちゃんが目の前に現れる。
言葉が詰まる、
「想ちゃ、あの想ちゃんママから伝言があって、」
そんなに二年生の教室に来るのがまずかったのかな。