「お疲れ様、助かったわ。独りじゃ間がもてないのよ」
ペンションの1部屋が3人のためにあてがわれた。銘々自由な服装に着替えカーペットに寝そべって寛いでいた。明は今日は収穫無しという顔をしている。ちょっと明好みではなかったようね、今日のお嬢様は。朋子は陽に焼けた肌にカーマインローションを叩き付けながら今日の反省会の議長をしている。カーペットの上に投げ出された脚はまべんなく焼けている。ソックスの跡も無い。これは朋子の自慢するところ。その朋子の脚を眺めながら、昨夜明は私を抱いたのだろうか、と思い出そうとしてる。思い出せない。
「もう少し上手いかと思ったらてんで初心者なの。ラケットの握り方もフォームもめちゃくちゃ」
「いっそのこと素振り1000回ずつやらせりゃ良かったのに」
「そうは行かないわ。中学の部活じゃないんだから」
「一夜漬けでかっこ良くプレイ出来るようにって要望? 無理でしょ」
「本人は出来ると思い込んでる」
「今までに無いパターンね」
大人しい明に目をやると、丁度明も目を窓外からこちらに向けたところで、3人の視線が絡んだ。
「ビールもらって来てあげよっか」
朋子が立ち上がりながら言った。カーマインローションが乾いて白い粉が顔に残っている。
「酒はもう良い」
「私もゲップ」
すぐに理由を察した朋子はそれじゃ何かさっぱりするものを、と部屋を出て行った。暫くするとドアをノックする音がした。朋子が戻って来たにしては早いし、彼女ならノックした後すぐに入って来るはず、と思いながらドアを開けると、明のお好みでない御令嬢がパジャマ姿で立っていた。そのいかにもこの場にそぐわないパジャマというものに吹き出しそうになってしまったが、相手が私の存在に驚いている様子なので、殊更柔らかい笑顔で応対した。
「あの、原田先生のお部屋ですよね」
「はい、おります」
つまり、3人の男女が1つの部屋に泊まるという私達3人にだけ通用する常識を、このちょっと鈍そうな御嬢様に即座に理解させようとしたのが無理だったわけだ。明のほうに振り向くと、いつの間にかベッドにもぐりこんでいる。
「明…」
呼んでみたが返事をしない。
「眠ってますね」
お嬢様は自分の部屋へ帰って行った。私は笑いが堪えられず、明のベッドに顔を押し付けて大笑いしてしまった。
「笑いごとじゃないぞ」
と明はむっくり起き上がり、私の背中を叩いた。今回のお嬢様には流石の明も手を出せないかー。可哀想に。
2人して笑っているところへレモンスカッシュのグラスを3つ載せたトレイと共に朋子が戻って来た。
「どうしたの? 何がおかしいの? お嬢様とすれ違ったけど、ここに来たの?」
カーペットの上にトレイを置いた朋子に今の出来事を話した。朋子は面白い話が大好き。
明日笑わずに仕事出来るかな。
ペンションの1部屋が3人のためにあてがわれた。銘々自由な服装に着替えカーペットに寝そべって寛いでいた。明は今日は収穫無しという顔をしている。ちょっと明好みではなかったようね、今日のお嬢様は。朋子は陽に焼けた肌にカーマインローションを叩き付けながら今日の反省会の議長をしている。カーペットの上に投げ出された脚はまべんなく焼けている。ソックスの跡も無い。これは朋子の自慢するところ。その朋子の脚を眺めながら、昨夜明は私を抱いたのだろうか、と思い出そうとしてる。思い出せない。
「もう少し上手いかと思ったらてんで初心者なの。ラケットの握り方もフォームもめちゃくちゃ」
「いっそのこと素振り1000回ずつやらせりゃ良かったのに」
「そうは行かないわ。中学の部活じゃないんだから」
「一夜漬けでかっこ良くプレイ出来るようにって要望? 無理でしょ」
「本人は出来ると思い込んでる」
「今までに無いパターンね」
大人しい明に目をやると、丁度明も目を窓外からこちらに向けたところで、3人の視線が絡んだ。
「ビールもらって来てあげよっか」
朋子が立ち上がりながら言った。カーマインローションが乾いて白い粉が顔に残っている。
「酒はもう良い」
「私もゲップ」
すぐに理由を察した朋子はそれじゃ何かさっぱりするものを、と部屋を出て行った。暫くするとドアをノックする音がした。朋子が戻って来たにしては早いし、彼女ならノックした後すぐに入って来るはず、と思いながらドアを開けると、明のお好みでない御令嬢がパジャマ姿で立っていた。そのいかにもこの場にそぐわないパジャマというものに吹き出しそうになってしまったが、相手が私の存在に驚いている様子なので、殊更柔らかい笑顔で応対した。
「あの、原田先生のお部屋ですよね」
「はい、おります」
つまり、3人の男女が1つの部屋に泊まるという私達3人にだけ通用する常識を、このちょっと鈍そうな御嬢様に即座に理解させようとしたのが無理だったわけだ。明のほうに振り向くと、いつの間にかベッドにもぐりこんでいる。
「明…」
呼んでみたが返事をしない。
「眠ってますね」
お嬢様は自分の部屋へ帰って行った。私は笑いが堪えられず、明のベッドに顔を押し付けて大笑いしてしまった。
「笑いごとじゃないぞ」
と明はむっくり起き上がり、私の背中を叩いた。今回のお嬢様には流石の明も手を出せないかー。可哀想に。
2人して笑っているところへレモンスカッシュのグラスを3つ載せたトレイと共に朋子が戻って来た。
「どうしたの? 何がおかしいの? お嬢様とすれ違ったけど、ここに来たの?」
カーペットの上にトレイを置いた朋子に今の出来事を話した。朋子は面白い話が大好き。
明日笑わずに仕事出来るかな。



