ねぇ、先輩。


「次はサボってないで、ちゃんと授業出ろよ」
「せ、先輩だって……」

ぐっと先輩を見上げると、先輩は「あー、うん」と曖昧にうなずいた。

あれ。それは、どういう感情?

先輩の返答に思わず首をかしげる。
そこへ。

「見回り完了……って、日向くん!?」

戸が開いて、大きな目をさらに大きく見開いている月島先生が入ってきた。
先輩は「よっ」と片手をあげて目を細める。

「日向くん……よく来たわね」

先生は嬉しそうに頬を緩めた。

……なんで?
どうして先輩は授業をサボって保健室に来たのに、こんなに歓迎されているんだろう。

なんだか分からないことばかりだ。
そろそろ頭が痛くなってきそうで、私は考えることを放棄した。