ねぇ、先輩。


(あ、六花ちゃん)


集団の先頭を堂々と走る六花ちゃんの姿が小さく見える。

いいなぁ、なんでもできて。

成績優秀、運動神経抜群、おまけに顔も可愛くて愛嬌もある。


「私もあんなふうに走れたらなぁ」
「お前、何見てんの?」


ポツリとつぶやいたところで、突然後ろから聞こえてきた声に振り返り、私は思わずぎょっと目を剥いた。

私の目の先にいたのは、ピアスが耳にキラリと光る、背の高い男子だった。
肌はこんがり焼けていて、髪の毛は短髪でツンツンしている。

「ピアス、四個……」

思わず声に出してしまい、慌てて口に手を当てる。
彼は片眉をあげて悪戯っぽく笑い、舌を出した。

「残念。五個でしたー♪」

彼の舌には、シルバーのピアスがもうひとつ。
舌ピアスというものは知っていたけれど、生で見るのは初めてで、まじまじと見つめてしまった。