ねぇ、先輩。


思わず目を奪われてしまうその美貌も、人を惹きつける性格も。


「……そろそろリンゴ飴が欲しい」


ふと、先輩がつぶやいた。


「そうよね。アカリは早くフユと二人でイチャイチャしたいもんね」
「……違う」


茶化すように言った六花ちゃんに、やや間があって否定する先輩。


「あれ、お顔が赤いですぞ?もう、照れちゃって〜」
「いい加減にしろ、六花」
「はいはい。失礼しました」


ふふ、と笑う六花ちゃんはとても楽しそうだ。


「美味しそう……!」


受け取ったリンゴ飴は、真紅の宝石のようにキラキラと輝いていた。


「じゃあお祭り楽しんで〜!」


ヒラヒラと手を振る六花ちゃんに手を振り返して屋台を離れる。

先輩も軽く片手を上げて、歩き出した。