ねぇ、先輩。


「また、会えますか……?」

ごく、自然に。無意識に。

そんな言葉が唇から落ちた。
先輩は驚いたように目を開いていたけれど、それからゆったりと微笑を浮かべる。

「おう。またな」

交わされた"また"の約束。
それだけで、心がはずむのが分かった。

そんな私に、先輩は「でも」と口角を上げる。

「あんまりサボりすぎるなよ」

私はうなずく。

「努力します」
「健闘を祈る」

二人でピシッと敬礼し、それからまた笑い合う。


青い絵の具を溶かしたような真っ青な空には、夏めいた雲が浮かんでいた。