「あら?体調不良かしら?」
先生の切れ長の瞳が、先輩からスッと流れて私に向いた。
「あ……えっと」
もごもごと口ごもる私をちらりと見た先輩が口を開く。
「倦怠感ってやつ?」
サボりのことを言われるかと思って内心ヒヤヒヤしたけれど、先輩はどうやら誤魔化してくれるらしい。
控えめにうなずくと、先生は「横になる?」と訊ねてきた。
ふるふると首を横に振る。
「一応熱がないか確認してね。それから、ゆっくりしてるといいわ」
「はい。ありがとうございます」
言われたとおり熱を測ると、案の定熱はなかった。
……そりゃあ仮病だからね。
心の中で軽くツッコミをいれて、薄茶色のソファーに座った。
先輩も私の隣に腰をおろす。



