「ええ。名目上はこの神殿のナンバー2です……が、神殿長は所謂お飾りのトップですからねぇ。実質私が責任者です。ほら、責任者と言うからには、ある程度年配者を立てておかないと困ることも有るでしょう?」

「ああ……やっぱり、何処の世界もそんな感じなんですねぇ」


 ある程度は年功序列が働いている。どんなに実力がある人でも、入ってすぐにトップに君臨できるわけではないのだ。


「まあ、それもあと三年程度のこと。以降は私が名実共に責任者となる予定です。ジャンヌ殿、私ってとても有望株でしょう?」

「自分で有望株って……そりゃあ、この神殿のトップってのはつまり、国の神殿関係のトップってことなんでしょうけど」


 どのぐらいすごいのかは、住んでる世界が違いすぎるからよく分からない。前世では宗教とは無関係の一般家庭で育ったし、エリート官僚とか大会社の社長とかとも立ち位置が違う印象だ。


「地位的なものはさておき、私って若いのに結構な高給取りですよ? 食うに困らないし、オシャレや旅行を楽しむだけの余裕もあります。贅沢な生活を送りたいなら、結婚相手にピッタリでしょう?」

「…………はぁ。そうですね。贅沢な生活を送りたいなら、ね」