「なお、本日から新しいメンバーを迎えております」


 神官様がそう言って、わたしの方を振り返る。
 いや、メンバーとか言っちゃってるよ、この人。そりゃ、わたしは神官じゃないし! 他に言葉が見つからなかったのかもしれないけどさ!

 最早逃げ道はない。ゆっくりと神官様達の前へと進み出れば、野太い雄叫びが上がった。

 なにこれ。めちゃくちゃ恥ずかしいし、居た堪れない。
 逃げ出そうとしたわたしの腕を、神官様が瞬時に掴んだ。


「逃げたらダメですよ、ジャンヌ殿」

「無理です! こんなに人がいるなんて聞いてませんし!」

「言ったでしょう? 私は一日に二十万ウェル稼ぐ男だって」

「知るか、そんなこと! そっから来殿者数を割り出せるわけ無いでしょう! もう! 本気でどうすりゃいいんですか?」


 こちとら昨日まで隠遁生活を送っていたんですけど! いきなりこんな大勢の前に引っ張り出されちゃ堪らない!