テーブルに所狭しと並べられた食事達。これらは全て、空腹で倒れそうになったわたしのために作られ、運ばれてきたものだ。


(美味い、美味い!)


 この数日間で食べ物を口にしたのは、(不本意ながら)神官様が持参した果物だけ。完全にエネルギー不足。ぶっ倒れそうになったわたしの元に、神官様はお料理を運ぶよう手配してくれたのだ。


「美味しい、ジャンヌさん?」

「うん」


 魔女って言うのは引き籠りだと相場が決まっている。他人が作ってくれたご飯を食べるのは、現世の母が亡くなってから初めてのこと。そりゃ、面倒くさがりだからお惣菜的なものを取り寄せたりしてたけど、温かい状態でゲットできるもんじゃないし。
 外食最高。ここの料理人、素晴らしい腕を持っていらっしゃる。