【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】

 あの時とのことは、今でもはっきり覚えている。


『捨て子? 嘘を吐くな。本当は自分の子なんだろう? 多いんだよ。お前のように、育てられない癖に子を作り、ここに連れてくる若い娘が』


 でっぷりとしたお腹のクソ神官。ネットリと値踏みするかのような視線でわたしを見下ろされる。


『嘘じゃありません! わたしは子どもなんて生んでない! 生むはずがないのよ!』


 だってわたし、恋愛なんて懲り懲りだもの。子どもなんて大嫌い。特に赤子は最悪。存在自体を恨んでいるほどなのに、どうしてわたしが産んだことにされるわけ? そもそも、わたしはあの当時十六歳だったっていうのに。


『口では何とでも言える。その子はお前の子に違いないんだ。責任をもって自分で育てなさい』


 幼いマリアと共に、わたしは神殿を追い返された。

 あれから六年。マリアを拒んだはずの神官が、今度は彼女を迎えに来ている。
 そりゃあ、あの時とは比べ物にならないぐらい美しい男だけど、同じ神官であることには違いない。
 託宣とやらが出ただけで、この手のひらの返しよう。ホント、最高に笑える。

 ――――笑えはするのだけど。