「こんにちは、ジャンヌ殿」

「帰ってください」


 思いがけずエンカウントしたキラキラしい怪物に胸焼けがする。
 神官様だ。
 神出鬼没とはまさにこのこと。布団を頭から被ってなお、鬱陶しい程の存在感を放っている。


「やだなぁ、まだ来たばかりじゃありませんか」

「帰ってください。いや、帰れ」


 折角食欲がわいてきたっていうのに最悪。なんて間の悪い奴。もうすぐ商品が届くはずだったのに!


「っていうか、ちょっと待って。あなた、なんで勝手に家の中に入ってるんですか」

「へ?」


 キョトンと目を丸くし、神官様が首を傾げる。イラッとして投げ飛ばした枕を、神官様は朗らかにキャッチした。「いい球ですね」なんて返されて、余計に腹が立ってくる。