「神官様が和食の話ばかりするからかな。なんだかカレーが食べたくなってきました」

「カレー……ああ、以前マリア様のためにレシピを書いてくださったお料理ですね!」

「そう、それ。カレーもわたしのソウルフードですから」


 給食で月に一回、家庭でも月に一回は食べていたんだもん。当然ながら魂に刻みこまれている。

 それに今、お上品なごちそうを食べたばかりだし。お正月明けにカレーライスを食べたくなる心理的な。なんだか今、無性にカレーの口になっている。


「わぁ! マリアもカレー食べたい! ジャンヌさん、作って作って!」


 一体いつから聞いていたんだろう? マリアが唐突に割って入ってくる。


「はいはい、明日ね。マリアも手伝うんだよ?」

「うん! あたし、お手伝いちゃんとするよ! 楽しみ!」


 そんなことを話していたら、珍しくお腹が空いてきた。
 綺麗に盛り付けられた料理を口に運び、ゆっくり、しっかりと咀嚼する。


「うん――――美味しい」


 素直にそう思えたことが、なんだかとても嬉しかった。