*** 「いっちーこの前貸してくれた本返すよ。面白かった、ありがとう!」 席に着くと今度は日向くんが来てくれた。 そっか、前はこんな小さなことでも嬉しかった自分がいたのに今じゃドキドキさえもしなくなってる。 それも片桐くんに出会ってからだもんね… 「最後の展開は読めなかったよね」 「そうなの、衝撃だったよね」 「また面白い本があったら教えるね」 「うん、楽しみにしてる」 ……それじゃ、と言って席に戻る日向くん。