「ふふふ。蒼ちゃん、『いちにちじゅう』って、変換するのももどかしかったんでしょ」


スマホに当てた左耳からは、甘い声が流れ出した。


「…うわっ、完全にバレてる…どうしてわかったんですか?」


「ふふふ。蒼ちゃんのこと、だんだんわかってきたから、ね?」


あぁ、夕方が楽しみだなぁ。


早く時間が経たないかなぁ。


ね?蒼ちゃんもそう思う?


だったら嬉しいなぁ。


なんて、聞いているだけですごく甘いコトバが続く。


柔らかに微笑んでいるだろう、くちびるを、想う。