あれから、1ヶ月ほどが経って、会えたのは数回で。


それでも、毎日ラインをくれたり、ほんの数分話すために電話をくれたりする久保田さん。


待ってばかりじゃなくて、隙を見計らって私からも連絡してみたり。


電話に出てくれたり、返事をその場で返してくれるのは3割くらいだけれど、その3割で充分に嬉しい。


『今日は早めに終わりそうだから、夕方会いに行きたいんだけど、蒼ちゃん空いてる?』


そんなラインは、飛び上がりそうになるくらい嬉しい。


『いちにちじゅう、ずーっと空いています!!』


『いちにちじゅう』を漢字変換する時間ももどかしくて、そのまま返信してしまう自分に、我ながら苦笑い。


と、唐突に鳴ったスマホ。


液晶画面には、『青さん』の名前。


面と向かってはまだ、呼べないけれど。


そんな自分に突っ込みながら、通話ボタンを押した。