ダブルブルー

「…ん?、」


エンジンを掛けるために前を向いて、ギアをドライブに入れたタイミングで、私の視線に気が付いた久保田さんが、帽子をとりながらゆっくりと私に視線を向けた。


「……、」


「……、」


見つめあったまま、流れた数秒。


そのまま、今度は久保田さんがギアをパーキングに入れる音が車内に響いた。


「蒼ちゃん。何か不安?」


真っ直ぐに私に向けられたまなざし。


「…あの、このままだったら私、何か勘違いをしてしまいそう、で、」


「勘違い?」


「…そう…、です…」


私のそんな返事に、


ふふふ。


おだやかに微笑んだ久保田さん。


「勘違い、なんかじゃない、よ?」


「…え…?」


困惑の表情を浮かべた私に。
  

「蒼ちゃんの思ったとおりでたぶん合って、ます」