ダブルブルー

「…背中を、押されたんです…」


青さんが忠告してくれたから、ぎゅっと握っていた手すりのおかげで、下まで転がり落ちずにすんだ。


反射で上げた顔は、頭上にかかった影のせい。


燃えるような、視線。


こわい、と思った。


あのときの女性、だ。


スーパーの出口でぶつかった。


「…青ちゃん。まだ隠していることあるでしょ。他にも何かされたり言われたりしたんじゃないの?」


あの女性とは正反対の、あやすような優しい表情で聞いてくれた青さんに、勇気をもらう。