なの、に。 それなのに。 つかつかと私に歩みよった青さんは、そのままの勢いで私を強く抱き締めた。 「…蒼ちゃん、よかった…」 スマホ越しではない、青さんの声がそのまま耳の中に流れ込んでくる。 「…青さん、帽子、してないし」 「うん」 「スーツ、それ衣装ですよね?汚れちゃう…」 「いいよ。買い取れば」 「仕事の時間…、」 「うるさい。黙って」 ちいさく呟かれたと同時に、それ以上話すな。と言わんばかりにくちびるでくちびるを塞がれた。 ・