ダブルブルー

「『大丈夫』って、蒼ちゃんのクチグセ?」


「…あ、いや…。そんなつもりは、」


「そう?」


たったひとことの、その言葉までも胸に刺さる。


「…でも…」


「うん?」


話し出した私の声に、優しく先を促すような久保田さんの声が隣から聞こえる。


「今朝、また職場で嫌なことを言われたんですけど。ちゃんと嫌だって、言えたんです」


「おー、勇気いったでしょ。エライエライ」


ぱちぱちと、拍手をくれた久保田さん。


「久保田さんのことを、もさっとしてる。なんてゆうから、上辺でしかひとも、物も見てないんだねって、言い返せたんです」


「あはははは!まじで?オレ、普段はもさっとしてるから、仕方ないか」