ダブルブルー

あれよあれよとゆう間に、連れてこられたラーメン屋さんは、座席数は少ないけれど清潔でこざっぱりしている。


聞けば、久保田さんのお友だちのお店だという。


「ここね、味噌が旨いんだよ。あとね、チャーシューも絶品」


そんな風に教えてもらって、注文を終えた。


間が続かないんじゃないだろうか、なんて心配はすぐに、杞憂に変わる。


ぽんぽんと、久保田さんのくちびるから溢れる話題は、好きな音楽やテレビ。好きな食べ物や好きな季節。


そんなありふれた、一般の私たちとなんら変わらないもので。


昨日まで、ううん。今朝までテレビの中で眺めていたひとが隣にいるちぐはぐさを、決して感じさせなくて。


その事実にただ感じるのは、深い、安心感。