ダブルブルー

…きゃ…っ…!!


思わず出た悲鳴は、間違いなく私のもの、で。


まるで燃えるような嫌悪の視線や目つきは、間違いなく私に向けられたもので。


でも、見ず知らずの会ったこともない、初めましての女性に、こんな風に睨まれる覚えは、ない。


でも、私が下を向いていたんだし。


「…ごめん…な、さい」


振り絞るような、私からの謝罪を聞いた彼女は、軽蔑の眼差しを残して、さっさと歩いていってしまった。


エコバッグから飛び出してしまった食材やビールが私のまわりに散らばっているけれど、あまりの衝撃になかなか動き出せない。


「大丈夫?」


年配の女性が駆け寄って来てくれて、散らばった食材をいっしょに拾い集めてくれた。


「大丈夫?さっきのひと、真っ直ぐにあなたにぶつかっていったけど。知り合い?」


先ほどの女性とは打ってかわって、優しい目の色にほっとする。


「全然知らない人なの?じゃあ、気にすることないわよ。変な人もいるから気をつけてね」


言い残して、歩いてゆく背中を見送った。