ダブルブルー

「この鍵、は」


『うん?』


話し出した私に、柔らかな返事が嬉しい。


「不意打ちで使っても、いいんですか?例えば、真夜中に急に青さんに会いたくなったり、したら…?」


『それはダメでしょ』


瞬時に帰ってきた返答に、急速にしぼんでゆく、上ずった気持ち。


真夜中に会いたくなったら、直接オレに電話して?あなた、うら若き乙女なんだから、真夜中にひとりで出歩くのは、禁止。


なにを言うかなー、このお嬢さんは。


当たり前の口調は、しぼんだ気持ちを一気に引き上げてくれる。


 ・