ダブルブルー

ふふふ。


柔らかな笑い声が響いた。


「大丈夫だよ?なんにも気にしないから」


気が付くと、私と同じ目線に久保田さんの柔和な目があって、恥ずかしくて恥ずかしすぎて、今度は瞬時に立ち上がる。


「おー、素早いねぇ。素晴らしい」


しゃがみこんだまま、私を見上げてぱちぱちと拍手をしている。


「…ど、どうしたんですか?こんなとこまで。っていうか、こんなとにいたらダメですって!」


私たちの左右を、仕事帰りのひとたちが物珍しそうに眺めながら歩いて行く。


とりあえず、道の端に寄って、久保田さんに問いかけた。


「またね。って、言ったでしょ?」


にっこり微笑んだ。