ダブルブルー

ぱらぱらと、降りて行くひとたちを見送って最後にエレベーターを降りる。


明るい気持ちをこのエレベーターに落としていけば、明日の朝も笑っていられる気がする。


少し、振り返って、まっすぐに自動ドアまで歩く。


そのまま、誇らしい気持ちを抱えて、ドアをくぐった。


ずんずん、歩く。


ずんずんずんずん。


リズミカルな歩幅まで嬉しくて。


いつの間にか、背筋までまっすぐに伸びている。


自分自身の気持ちが変わっただけで、こんなにも明るくなれるんだ。


もうすぐ30歳になるけれど、きっと気が付くのに遅すぎるなんてことはない。