ダブルブルー

「はいはい。蒼ちゃん?オレも今、蒼ちゃんに電話しようと思ってたから、あまりのタイミングのよさにびっくりして、出るのがおそくなっちゃった」


ふふふ。『運命』だね?


左耳から、久保田さんの甘い声が全身を伝ってゆく。


「…あの、どうしても今、あい…、声が、聞きたくて…ッ!」


思いが溢れてしまって、ちいさな叫び声のようになってしまった私に。


「蒼ちゃん。今、何を言いかけたの?」


穏やかな、久保田さんの声に、なぜだか涙が止まらなくなってしまう。


それだけで、今、たった今、『仕事かも知れない』『忙しいかもしれない』から。


思っていた決意は簡単に崩れてしまう。


「…会いたい、会いたい…!久保田さんに今、会いたい!!」