いつものように、エレベーターを最後に降りて、外へ繋がる自動ドアを抜ける。


念のため、バックからスマホを取り出してメッセージの確認をしてみる。


着信もラインも、無し。


当たり前だ。


久保田さんは新しいドラマの撮影中で、今朝くれたラインは、


『すごい、忙しいよー!蒼ちゃんチャージしたい!!』


そんなメッセージだった。


私だって。


いや、私の方が久保田さんチャージしたいに決まってる。


今、電話してみようか?


いや、でも、忙しかったら迷惑だよな。


ちょっとだけでも、声が聞きたい。