ジーンズに履き替えて、階段を下る。


紙袋に入れた、レースつきの白いスカート。


「…あの、本当にいいんですか?」


言いながら、紙袋を差し出した。


「いいのいいの。オレに考えがあるから任せといて」


擦りむいた膝から出た血が、レースを赤く染めたスカート。


白いスカートだから、きっとクリーニングに出しても完全には汚れは落ちないだろうな。


捨てるしかないな。


諦めにも似た感情を、抱いていたスカート。


「捨てるなんて勿体ない。だってすごく似合ってたよ?」


捨てるくらいなら、オレに託して?


そんな風に動く、くちびるを見つめた。