腕を引かれて、起き上がらせてくれた久保田さん。


今度はカーペットのうえにふたりで向き合って、座り込む。


「「ふふふ」」


目を合わせたら、どちらともなく笑う声が合わさるシアワセ。


ふたりでこのまま、この夜を静かに過ごせたら、
と思う。


ふたりで、ふたりきりで立てる笑い声や、ふたりだけのナイショの話し。


少しずつ、久保田さんの感情や想いを知りたいし、私も伝えたいと願う。


時間が掛かってもゆっくりでもいい。


それはそれだけ、ふたりきりで過ごせた証しになるから。


そんなことを考えていたら、手のひらを差し出してくれた久保田さん。


その手のひらに、私の手のひらを委ねた。


どこまでだって行けそうだ。


久保田さんと私。


ふたり、なら。