秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】

「それは、大事なことだと思うが…
じゃあ、二人の時だけはどうだ?」

「………」

「それなら、周りに示す必要もないだろう?」

「ダメです。万が一誰かに聞かれたらどうされるのですか。」

佐月と陸はどんな育て方をしてるんだよ!

瑛二にはどう言っても無理だった。

お礼も敬語も諦めたわけではないが、瑛二の頑固さに俺は一旦保留にすることにした。

親交は全く深まらなかったが、瑛二が頑固な人間なのは良く分かった。

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暫くして、瑛二が佐月と陸と共に屋敷に引っ越してきた。

数年前まで佐月と陸は屋敷に住んでいて、結婚を機に住まいを別に構えたが、子供が成長すれば屋敷に戻ってくるつもりでいたらしい。

引っ越してきたその日から、瑛二は俺の正式な従者となった。

しかし…