秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】

「佐月、瑛二と親交を深めたいのだが、一緒にお茶をしても良いだろうか?」

「進一郎様がお望みであらば。」

「瑛二、佐月の許しはもらった。そこに座ってくれ。
佐月、瑛二にお茶を。」

瑛二は一瞬迷った様だが、佐月が目で合図をすると「失礼します。」と素直にイスに座った。

お茶を用意した後、佐月には部屋を出てもらった。

「瑛二、さっきは助かった。ありがとう。」

「いえ、大したことでは…」

やっぱり!さっきのは瑛二だったか!

「いや、本当に助かったんだ。だから何かお礼をさせてほしいんだが…」

「そのお気持ちだけで十分です。私は進一郎様の従者ですから、お助けするのは当然の責務です。」

「だが…」

「お気持ちだけで結構です。」

固い…

言葉もそうだが、表情が固い…

あの笑顔はどこへ行った…