「あぁ!もぉ!」



俺は足を止めてそう言うと振り向いた。


彼女も立ち止まる。


ビックリした顔で目を見開き、俺を見る彼女。



「ついてくんな!」



そう怒鳴るとキョトンとして真ん丸な目で俺を見る。
再び背を向けて歩き出す。



「ねぇ、おにーさん名前は?」


「は?」



振り向くことなく、足を進めたままそう言った。



「名前だよ!私は美羽(みう)」



聞いてもいないのに勝手に名乗る彼女。



「R」



ポツリと呟くようにそう言った。



「R?おにーさん、外国人?あ!だから髪が金髪なんだね!綺麗な髪だね。それに日本語上手」


「お前、何を勘違いしてるのかわかんねぇけど、俺日本人だけど?」


「はい?」


「Rは活動名。本名なんか教えるわけないじゃん」


「活動名って……」


「お前には関係ねぇだろ?もうさ、帰れよ。ついてくんな!」



振り返り、彼女の言葉を遮るように怒鳴るように言う。


そして彼女から離れるように走り始める。


何なんだよ!あいつ……。