……パーンッ! 街中に響く破裂音にも似た音。 周りの騒めきも聞こえなくなるくらい。 時が一瞬、止まったように周りの人も動きが止まる。 時が経つにつれて頬にジンジンと痛みが広がっていく。 目の前には俺を軽蔑した目で俺を見ている女が仁王立ちで立っていた。 「……ってなぁ!」 頬を押さえたまま女を睨みつけ、吐き捨てるようにそう言った。 12月24日--。 クリスマスイブ。 俺は街のど真ん中で女に思いっきりビンタされた。