テーブルにホットミルクを置く。


「熱いから気を付けて飲んで?それとこれ」


俺は彼女に濡れたタオルを渡した。



「目、腫れてるから冷やしな」



俺からタオルを受け取った彼女はそれを目に当てる。



「……で、何であんなことしたの?」



なかなか話そうとしない彼女。



「怒らないから話してみ?」



そう言うと、また目を潤わせる。



「あぁ、せっかく冷やして腫れが引いてきたのに、また腫れるぞ?」



俺はそう言って、彼女の手を引っ張って身体を引き寄せた。


と、同時にテーブルに置いてあった熱々のホットミルクが入ったマグカップが倒れて彼女の太ももにかかった。



「熱っ!」


「だ、大丈夫か?ゴメン……俺のせいで……」


「おにーさんのせいじゃないよ?この濡れたタオルで拭けば大丈夫」



そう言った彼女の顔は痛みに少し歪んでいた。



「新しいタオル持って来るから!」



俺はキッチンに行き、タオルを水で濡らした。



「スカートちょっと捲って?」


「え?」


「太もも冷やさなきゃ。痕が残ったら困るだろ?だから早く!」


「自分でやるから大丈夫だよ!タオル貸して?


「……あ、あぁ」



俺は彼女にタオルを貸した。


それを太ももに当てる。


その姿を見て、思わず唾をゴクリと飲んだ。



「せっかく煎れてくれたホットミルクが……」


「ホットミルクより自分の太もも心配しろ」


「そうだね」



彼女はそう言って微笑む。


涙で潤んだ瞳。


微笑んだ目から涙が零れ落ちる。


俺は再び彼女の手を引っ張って強く抱きしめた。


壊れるほど強く。