玄関の前で躊躇する彼女。



「入りなよ」


「でも……」


「いいから!風邪ひくだろ?」



半ば強引に彼女を部屋の中へ入れる。



「適当に座って?今、温かい飲み物と冷たいタオル持って来るから」



彼女はリビングの扉の傍の隅のほうに座る。



「ソファに座りなよ」


「でも汚れたら……」


「そんな事、気にすんな。汚れたら拭けばいいんだから。だからほら座りな?」



彼女は躊躇しながらもソファに座る。


俺はホットミルクと目を冷やすタオルを用意するためにキッチンに入った。