彼女の身体がビクンと揺れる。



「キャッ!」



彼女の小さな悲鳴と共に、俺と彼女は抱き合ったまま後ろに倒れ込んだ。


身体を起こす。



「何で……」



彼女がポツリと呟いた。



「それはこっちのセリフ!何やってんだよバカ!」



そう言った俺は彼女の身体を更に強く抱き締めた。


子犬のようにプルプルと震える身体。


背中を摩る。


本当は怖かったんだろ?


死ぬ気なんてなかったんだろ?