能ある彼女は敏腕社長に捕獲される

「あの、大丈夫ですから…」

私が声をかけたら彼女は顔をあげた。

「父の勝手な行動のせいであなたや三柳さんはもちろんのこと、会社の方にも迷惑がかかっていますよね?」

そう聞いてきた彼女に、
「そうですね、朝からいろいろと殺到しています」

答えた私に、彼女は息を吐いた。

「社長があなたのお父様に婚約のことを断ったと言う話は、聞いていますよね?」

私が確認のために聞いたら、
「ええ、話を聞きました。

正直なことを言うと、三柳さんがお話を断ってくれてホッとしていたんです」
と、彼女は答えた。

「実を言いますと…私には、以前から交際をしているお方がいるんです」

「えっ、そうなんですか?」

まさか、彼女に交際相手がいるとは思ってもみなかった。

別にええやんけと言う話だけど。