能ある彼女は敏腕社長に捕獲される

「社長は断らないんですか?」

「何が?」

「向こうによって勝手に決められた結婚話ですよ。

私は社長自らが断ればいいんじゃないかと言っているんです。

自分の父親の代からお世話になってるからとか何だかよくわかりませんけど、断ったくらいで取引がなくなる関係だったらそれだけの関係だった…と、割り切ればいいだけの話でしょう」

「…言うな」

「所詮は他人事ですから」

東郷のお嬢さんと家庭事情は似たようなものかも知れないが、所詮は他人の事情でしかない。

「俺も君ぐらいの割り切った人間だったらよかったかもな」

社長は自嘲気味に言った。

どう言う意味だ、それ。

「社長が東郷のお嬢さんと結婚するんだったら、私は何も言いません。

他人事なので口を挟みません」

私は言い返した。