能ある彼女は敏腕社長に捕獲される

家に帰ってきたのは、10時を過ぎてからだった。

「ただいま帰りました」

「お帰り」

社長が玄関まで迎えにきてくれた。

「今週の土曜日に外出する用事ができたので」

私がそう話を切り出したら、
「ああ、わかった」

社長は返事をすると、私の前から立ち去ったのだった。

そのまま動くことができないでいたら、バタンとドアが閉まった音が聞こえた。

自室に戻ったのだろうか?

と言うか、私が帰ってくるまで待っていたのだろうか?

それで帰ってきたと言わんばかりに玄関まで迎えにきて…と、いろいろと思うことはある。

「こっちもこっちでケジメをつけないといけないらしいな…」

そう呟いた後で靴を脱ぐと、私も自室へと足を向かわせた。